環境改善に向けて業況説明
全ダ連はダクト工事業界の実情をつぶさに説明し、公正・透明で競争性の高い生産環境に改善していく手がかりを掴みたいとして、国土交通省総合政策局との懇談会を8月10日午後、東京・霞ヶ関の本省会議室で行った。
これまでも国交省幹部と建設設備工事関係団体トップ役員との意見交換は、(社)日本空調衛生工事協会を中心メンバーに設備関係団体協議会が窓口になって全ダ連、全管連、日管連、電設協などの8団体で実施した経緯はある。今回の会議は全ダ連からの単独申し入れを総合政策局建設振興課が受けとめて実現したもの。
建設振興課から、
田尻直人・労働資材対策室長
木下慎哉・専門工事業高度化対策官
田上恵生・課長補佐
田畑正敏・労働対策室課長補佐
など6氏が出席し、ダクト工事業界の説明を聴取した。さらに会議終了後、木下対策官の案内により、中島正弘・総合政策局官房審議官を訪れて会議の大要を報告し、今後のアドバイスを重ねてお願いした。
全ダ連からの出席は須長義明会長、副会長・一宮吾郎、同・岩瀬猛司、同・長谷川敏和、同・内藤清吾、同・栗田昭、理事・田村行雄、同・増田岳史の8名と坂本事務局長。
全ダ連からの議題
1.業況並びに各事業所の動向
全ダ連会員数の減少に見られる傾向
2.不公正取引の実例
(1)未契約着工
(2)工事内容の不徹底(ご都合主義)
3.現行の請負契約(一式)に見られる矛盾と問題点
(1)市場単価
(2)積上げ単価と原価構成
4.公共工事設計労務単価(基準額)調査
5.国交省仕様書と新工法の採用
6.基幹技能者の育成と制度
※添付資料
全ダ連案内、全ダ連白書、東北アンケート、遠藤レポート
まず、全ダ連側はダクト工事業の全容を知ってもらう立場から、ダクト製作の手順、使用材料、加工方法、加工設備、取付け方法など、工事契約から施工に至る一貫の流れを説明した上で、全ダ連構成メンバーの全国分布を説明した。この中で、平成9年には634社だった会員が現在は485社にまで落ち込んでしまった窮状にも触れた。
ダクト工事業者の主たる受注先となる総合設備業者(サブコン)との取引では
「未成約工事着工の強要」
「原価割れ工事費の押付け」
「追加・変更工事費の一方的切捨て」
が目立っていることを内藤副会長がまとめた東北地方の調査結果等を例に挙げて説明した。
さらに、このように厳しい経営環境の中にあって、全ダ連は従来にも増して技能者の研鑽と合理化に努め、作業の効率化、新工法の開発研究・普及などを通じて発注者への要望に応える活動を実施していることなどを訴えた。
全ダ連の説明に対し、国交省側は田尻労働資材対策室長を中心に質問を重ねた上で「各地域の話しを伺い、ダクト業界のおかれた厳しい状況がよくわかった。指摘のあった問題点は簡単に解決できないものも多いと思う。国交省は去る6月にまとめた「建設産業構造改善推進プログラム2004」を推進することで、建設産業全体の健全な発展を図るべく、関係方面へ取組みを働きかけていく」旨の説明があった。
終了後、全ダ連役員の一人は「ダクト施工以前の工場製作の部分を理解してもらうことが、積算における積上げ方式、労務費問題の解決に大切なことだと痛感した。基幹技能者制度への取組み方式によっては『管工事業の中のダクト工事』の位置関係が浮き彫りになるのでは」と、今後の期待をにじませた。さらに初めて国交省を訪れたという役員は「庁舎の中を歩いていると、陳情者の数も多く、日本の国土を守り業界を指導し、安全で快適な建物を作るべく、日夜努力されている方がいっぱいいるとの熱意を感じ、国土交通行政は、ここで動かされていることを実感した」と感謝を述べていた。 |